久々に読書2013/06/11

図書館から
先週予約しておいた市の健康診査を受けに何時もお世話になっている近くの医院に行く。
8時半からの受付開始に10分ほど遅れて行ったらもう4〜5人の方が待ってられた。

入院騒ぎの空白で久しぶりの市の検査にちょっと戸惑ったが、胸のレントゲン、血液検査、血圧、尿検査、体重、身長、腹囲測定などなど後は簡単な問診だけ。
潜血検査を加えて結果がわかるのは十日くらい先だろう。

年齢を記入していたら新しい看護師さんが
「えっ お若く見えますね」って。
嬉しかったけれどホントのことは自覚している。

外見に拘るのはみっともないと重々解っているのだけど凡人の哀しさで、先日写真を撮って頂く機会が有ってアップされた自分の顔を見て歳を痛感した。無論年齢だけではないってことも判ってる。(余談)

もう暫く元気でいられるといいな。
まだまだ遣りたいことがイッパイ有る。

図書館で借りて来たのは添付写真の2冊。
「小鳥を愛した容疑者」大倉崇裕 講談社
は一昨日の夕方に借りて来て一気読みしてしまった。
久しぶりに面白いミステリに出逢った。
子どもの頃から動物好きだったから色々な知識にも興味があったし、情緒過多でないところが好きだ。
教えてくださった方に感謝。

「バーナム博物館」スティーブン・ミルハウザー 福武書店
何だか昔懐かしい名前が色々出て来そう。
今夜の楽しみだ。

昭和初期のデパートの想い出2013/06/12

黄百合(ポップに)
テレビで「輝いていた昭和」の百貨店の文字に惹かれて見始めたが司会者が20年くらい若いから戦後の話で消そうと思っているうちに大正の創始期の映像が出て来た。
当時の建築の豪華さに改めて感心した。

子どもの頃、白木屋の火事を大人が話していたのをうっすらと覚えている。
1932年12月16日にクリスマスイルミネーションを出火原因とする火災が発生、14名の死者と負傷者が多数出たそうだがその頃の女子従業員はまだ和服で窓から飛び降りるのを躊躇したためと。
それがキッカケで女性の下着革命が起こったという大人の話も小耳にはさんだ。

物心ついてから小学生の頃までデパートに連れて行って貰うのが楽しみだったな。
大抵母の友人家族と一緒に阪神電車で10分あまりの神戸のデパートだ。
先ず呉服売場、反物を次々拡げてもらって決まるまで子ども達は大人しく待つ。
母たちの延々と続く品選びの次に時たま子ども服の売場で採寸してもらって他所行きを誂える。
既製品は下着や靴下以外はあまり見かけた覚えがないがマネキン人形を見た記憶も・・・。
帽子だけは色々並んでて小さな丸い鏡の前で被って選んだ。

買い物は売場から地下に運ばれて纏められ帰る時に受け取る仕組みになっていた。

買い物が終ると子ども達の最大の楽しみ、それが大きな目的の大食堂だ。
最上階の広いフロアに10人以上坐れる白い布をかけた大きなテーブルと椅子が並び、卓上にはお盆に熱いお茶の入った土瓶と湯呑みが置かれていた。
真鍮製の呼び鈴を押すと紺の制服に白いフリルの付いたエプロン姿のウエートレスさんがすぐに現れて注文を聞いてくれる。
ライスカレー、オムライス、海老フライなどが記憶に残っている。
お子様ランチはまだなかったのか頼んだ覚えは無い。
35銭から50銭程度だったと思う。

屋上に行って遊んだのはごく幼かった時だけで末っ子というものは何時も背伸びして上に合わせて来たなと振り返る。

帰りに買った品を受け取って、タクシーで帰った。
その頃のタクシーは前の座席の背に補助席がついていて子どもを入れて8人ぐらいは乗れるほど大きかったし、円タクって呼ばれるくらい安かったのだろう。

時には大阪のデパートにもお供した。
梅田、心斎橋の幾つかの老舗の大きなデパートはホテルのような風格があったなと懐かしい。

「わりなき恋」を讀んで2013/06/13

バックは「カナンの地への憧れ]
ゆうメールで知人が本を届けた下さった。
「わりなき恋」 岸恵子  幻冬舍
2013年3月25日に発行された彼女の書きおろしだが私はその知人に聞くまで知らなかった。
最近の本に疎くなったなと痛感する。

まして恋には昔から関心がなかった。 燃えたことが無い。
それでも年齢のマアマア近い著者の書き下ろしに興味惹かれて早速讀み始めたら面白い。
主人公の人柄が何とも好ましい。
同感と憧れで何時の間にか岸恵子さんにダブってしまった。
無論心情面にだけど。

これだけ素晴らしい男女が存在するのだろうか?
私は至って懐疑的だが、道徳も所詮は人間の知恵だ。
それを超えた世界があってもいいじゃない。
そこにも人の心を思い遣る優しさと強さがあって救われる。

生臭さが美しい世界に昇華して感じられるのは年齢のせいも大きいかな。
悩んで医院に相談に行くって勇気有るなと思うと同時に微笑ましかった。

エピローグが何とも沁みじみとした余韻を。

少し彼女より長い人生を経て来たから素直に同感できるのかもと思った。
それにしても才媛で美貌の主人公が羨ましい。

「初夏の女性像」完成2013/06/14

マチスの前で(油彩)F15
梅雨寒むにジャケットとレインコートでアトリエに出掛けた。
花々の色も冴えてしっとり濡れた葉の黄緑が美しい。
乗り換え駅からの直通の電車が3分遅れていたお陰で乗れた。
40分間 何をしようかしら。

小さなスケッチブックを出して鉛筆で悪戯描きを遣りだしたら面白くなって思い付くままに自画像を、これなら肖像権侵害などと文句言われることないだろう。
いろんなバリエーションで楽しんでいたら、目的地の駅名が聞こえた。
降りる人が多かったから助かったけれど危うく乗り越す所だった。

アトリエには40分前に着いたのにもう照明が点いて先生お一人でいらいしたので
「電車の中でこんなの描いたのですが 自画像って写真見てと鏡と・・・?」
「やっぱり 鏡だろうね」
習い始めた頃の夏休みに自画像の宿題がでたこと有ったなぁ。
あれから20年経った。

マチスの絵の前の女性像、毎回必ず来られる保証は無いから出来れば3回で仕上げたいと休み無しに夢中で筆を走らせた。
二時間ほどして先生に見て戴く順番が。
席を替わって腕組みしながらじっと暫くご覧になって
「うん いいよ! ここで終わりにしない?」
「えっ ここも ここも もう少しって気がするのですがぁ」
「描きたかったら自由だよ。 僕はいいと思うけど」
「ハイ 出来上がりにします」
自分では先生の仰る良さが解っていないのだけど、凄く嬉しかったな。
「先生に無条件で褒めて戴いたの20年間で初めてですよね」
「いや もう一回くらい有ったんじゃないの」
そうでした。 「草上の昼食」、先生の記憶力には脱帽だ。

昼食は新しく入られた方々を交えて7人で話が弾んだ。
教室では私語する暇もないから大切な時間だ。
帰りはすっかり晴れてレインコートもジャケットも持て余す暑さだった。

ポラロイドカメラの想い出2013/06/15

街角で大好きな立葵を
散歩は勿論、買い物でも外出時には必ずバッグにカメラを放り込んでいる。
スマホで撮って処理するのも慣れてきたがヤッパリ撮り辛い。
今のカメラは明るい所でモニターが見難いのだけが困るがスッカリ手に馴染んで撮りまくっている。

昔は本格的カメラは私には無理と夫に任せて来たがインスタントカメラが出現した頃から興味が湧いた。
私でもできそう〜なんて。

絵を習い始めた頃、ポラロイドカメラが話題になりだして、モニター募集、無料進呈の広告を見て応募したら数日後に送られて来て嬉しかった。
「アトリエでモチーフを撮って参考にしたい」と書いたのが良かったのかな。
早速アトリエで撮ったらお仲間も興味津々で皆に進呈した。
元校長先生がいいって言ったのに実費を徴収してくださって恐縮した覚えが有る。
あの頃一枚150円くらいについたような微かな記憶。
でも撮ってすぐに写真がスルスルと出て来た時の期待と快感は忘れられない。

あれから何台カメラを買い換えただろう。
操作の簡単なものばかりだけど昔のを残して置けばよかった。
記憶が朧になって、せめて写真を撮っておけば・・・。
人物より家のたたずまいや道具や車などの変遷のほうが20年経てば懐かしい想い出の再現、50年経てば歴史になる。