兄妹2013/06/25

きょうだい
姉や兄のことを思い出して珍しく古いアルバムを開いた。
昭和初期にはカメラは一般家庭には無く、年に一度写真館で家族写真を撮ってもらうのが恒例だった。
それらの写真は家を継ぐ長男のものだから私は持ってない。

何枚かのセピア色になったスナップ写真が私のアルバムに残っているのは、当時本家の従兄弟が身体が弱くて進学が無理と判断した父が面倒を見て大阪の写真学校に通わせてたからだ。

休みの日には庭に三脚立てて大きな写真機で撮ってくれた。
犬を膝に乗せたり、窓から顔出してたり、ねえやさんに肩を抱かれていたり、歳が離れてたからだろう。

珍しく兄妹3人を撮ってくれた写真が残っていた。
姉が女学生、兄が中学に入った夏だろう。
それぞれの性格がでてるなぁ。
一緒に撮ったのってこれ一枚だけだと思う。
懐かしくてラフスケッチして添付した。

同じ屋根の下に生活しながらきょうだいで一緒に遊んだり、勉強見て貰った覚えはまったくない。
父の方針だったのだろうか。
「うちは皆、一人っ子のように育てる」
とチラッと洩らした言葉は大正デモクラシーの影響かな。
8人兄妹の末子なのに兄二人が相次いで亡くなって本家と姉妹とその子ども達の面倒を引き受けざるを得なかったからだろうか。

ともかく末っ子の私は気侭に精神的苦労もせずにここまできた。
しかし、セピア色の写真を見れば当時が懐かしい。