師走に2016/12/01

メタセコイア並木
とうとう今年最後の月になった。
12月、師走になると、子どもの頃はワクワクすることがいっぱいだった。

洋服屋さんのご主人が生地見本を抱えて訪れる。
母と姉が相談して生地とデザインを選ぶと姉と私の採寸して、10日後くらいに届く。
私は歳も離れていたし云われるままだった。

少し姉が大きくなると、お揃いはイヤと。
個性の強い姉だったな。 
でも私もその方が嬉しかった。
終戦後のようにステキな既製服はなかったみたい。
デパートもオーダーだった。

他所行きの革靴も年に一度だけ、靴職人さんの自宅に行って作って貰った。
暗い灯りの下で足型を取ってもらった光景が夢のように浮かぶ。

教会の日曜学校ではクリスマスにご披露する劇の稽古が始る。
私など大抵天使のひとりだったけれど、クリスマスは敬虔なムードで皆が優しかったなと懐かしいです。

師走の町を威勢のよい職人さん達が門松などを抱えて走り回り、酒蔵からは杜氏さんたちの唄声が流れたりして。
宮水を運ぶ馬車も行き交っていた。

戦争が始まる前の昭和初期の短い間の想い出です。

添付写真は、メタセコイアの並木。
こちらに移ってきて初めて目にしました。
樹の歴史を聞くと益々好きになった、毎年コノ時季の色を楽しみに観に行ったのに、今年は未だ行かれず古い写真です。