読書の思い出2014/03/20

水温む
このところ,新しい体験や嬉しいことの連続だ。
やることが鈍いから一日があっという間に過ぎて図書館から借りて来た本の返却期日が迫ってるのに気が付いて目を通した。

「プルーストとイカ」 メアリアン・ウルフ著
   読書は脳をどのように変えるのか?

ここで教わって讀みたかった本だが、さらっと読み流せるような内容ではない。
その中で「中耳炎が言語発達におよぼす影響」の項に考えさせられた。
幼児の時に罹る中耳炎が
「語彙の発達と音韻の認識という、読字の最も大切な前段階のうちの二つに影響が及ぶ」(引用)
頻繁に中耳炎にかかりながら治療を受けずにいた子ども達は、後に読字障碍に陥る可能性が著しく高いとも。

私は一才未満で重い麻疹を患い,続いて罹った中耳炎は一生ついてまわっている。
無論治療はして貰ったが難聴は続いて3歳になって初めて「おかあちゃん」と言って母はほっとしたそうだ。
慢性中耳炎で耳鼻咽喉科医院はすっかり馴染みだった。

幼いときから独りで本を讀むのが一番の楽しみだったが、母から讀み聞かせをして貰ったことも、字を教わった記憶もない。
気が付いたら漢字にルビをふった平仮名の童話に夢中になっていた。

そんな経験から、素人考えだけど英語と漢字の違いも有るのかなと思った。
漢字は単なる符号ではなく視覚で意味が瞬時に判断出来るように思う。

それにしても大きな書棚にイッパイの本を並べて干渉せず好きに讀ませてくれた親に感謝する。
一番下に並んでいたのはアルス 社の児童全集(正式の名前は不明)外国文学、日本の昔話、科学モノで背表紙の色が違った。全部で50冊くらいは有ったように思う。
「小公子」「小公女」「ジャングルブック」などなど何回讀んだだろう。 巌谷小波「黄金丸」も。
科学ものは今では当たり前になった家電の世界がチラッと。

一番好きだったのが福音書館の聖書全集だった。旧約聖書の物語に心奪われた。

幼稚園にも行かず独りで読みふけったあの頃を懐かしく思い出してつい饒舌になってしまった。