気がつけば８２歳

自分勝手な仕事？だが一応終ってホッとする。
家中、キャンバス、スケッチブック、バラバラに描かれた画紙が散乱している。
９年前に此処に引っ越しするとき随分処分してきたのに。

これだけ描いてきたのに少しも進歩してないなぁ。
むしろ後退してる感が有る。
スポーツと同じなのかもと思ってしまう。
初心に還ってジックリ取り組むことが大事なのではないかと一昨日のアトリエでも感じたことだった。

亡くなった姉のことを思い出した。
女学生の時に大きな公募展に入選して天才少女と新聞に掲載されたりしたが、普通の家庭人としての幸せを願う父に反対されて上野へは進学出来ず地元の国文科を出た後は花嫁修業してお見合い結婚をした。
6歳下の私から見ても才能有ったのに惜しかったと思う。

趣味でいいと親は考えたのだろう。
私などはそれで充分楽しんで来たが、姉は一緒に習っていた男性達がプロに育って行くのを見て羨ましかったかも。
結婚してから絵は描かなくなった。
子離れしてからはアートフラワーや創作人形にのめり込み、最後はシナリオ教室に通って結構面白い作品を書いていた。
自分に厳しくなって絵は描けなかったのだろうと想像する。

姉の入選してポストカードになったのを貰っておけば良かったなあ。
チャイナドレスを着た私がモデルになった絵も。

私は絵も作文も凡才だったから今、気らくに楽しめるのかなと思う。