過去の「戦争」について2018/04/11

鍼灸院の日、今日も早めに行って、親友と暫しの語らい。
次回の仲良し会の予定表も頂いて、次回が楽しみです。

丁寧に治療に足腰も随分楽になって感謝しながら外に出たら、結構冷たい強風にマッスグ帰宅した。
ま 歩くノルマは果たしたことにして、午後は読書を。

それでも、日本人は「戦争」を選んだ   加藤陽子著 新潮文庫
                  平成28年7月1日 発行
                  平成29年9月30日 九刷

解説も含むと498ページ、内容も濃いから、5日に求めたのにやっと読み終わった。
明治以降の日本が関った「戦争」の、日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦は生まれる前のことで、父母の話しや本で読んだ程度だったから、あらためてその折の事情を興味深く讀んだ。

満州事変、日中戦争の折は小学生で、あまり危機感もなく、ただ兵隊さんに慰問文を学校でよく書かされた思い出。
あのころは「支那事変」と言ってて戦争ではないと聞かされていたと思う。

女学校2年生の時に突入した「太平洋戦争」は一生忘れられない深い痕跡を心に残した。
その前後の世界情勢と日本の立場、政治家、有識者の考えと行動は、この本を讀んで初めて知ることも多かったです。

当時の一般市民の感情が解る年齢ではなかったけれど、父は戦果のラジを聞きながら深刻な表情だったし、学校に行けば貿易関係の家の友人などは不安そうだった。
国策について批判めいたことは言ってはならない、言えない雰囲気の時代でした。

いろいろの哀しかった情景を思い出します。

コメント

_ まさこ ― 2018/04/12 08:14

戦争は、はっきりとしない記憶ながら、私にとって多大な影響を齎していると、美海さんの読後感想を読んで今更ながら実感しました。
父が戦死、若くして未亡人になった母の頑張り・・・全てが”もし、戦争がなかったら”と考えてみると違ってくるんだなぁと。
もちろん、過去をさかのぼって、もし・・もし・・ と考えることは無意味かとも思うんですが。
こんな感情を呼び起こしてくださった事に感謝です。

_ Cakeater ― 2018/04/12 10:13

事変と言って戦争ではないのは宣戦布告できない事情があった。。。というのはこの本で教えられました。
普通に考えたら、物量生産力とも大差で及ばないからやめておこうと国民に言うところが、精神力で補えば勝てる。。。というところがもう狂ってたとしか思えないし、国民もそう信じてたというのが、悲しさを通り越してあきれるところです。
加藤さんは資料のないことは言わない書かないという典型的な歴史学者で、最近のオカルトとしかいえない論客たちとは一線を引いてますね。
それと事変のころの中国の経済的軍事的なサポーターはドイツというのも初めて知りました。奇しくも、今の中国の技術的資本的な最大の後ろ盾はドイツなんですよね。トランプの貿易戦争の脅しをはねのけてるつっかいぼうがドイツ。
時代を生きて、生き残って、その時代を冷静に分析した本を読めるというのはうらやましいですね。ぼくの場合は1950年代以降が、ぼくの時代なんですが、ポチポチと研究がすすんでいるらしいけどまだ加藤さんの戦前分析みたいな本はありません。死ぬまでによめるかなあ。haha

_ 美海 ― 2018/04/13 21:19

まさこさん
戦争でお父様を〜
ごめんなさい。
小学生の頃から、昭和25年に結婚してからも周辺に、戦争の傷痕は残っていました。
悲しみが心の奥に、今も消えることは無いです。
それに私などよりモットモット哀しい思いと大変さ、それを乗り越えて頑張られた方々のことを思います。
世界中の平和が心からの願いです。

_ 美海 ― 2018/04/13 21:40

Cakeaterさん
経験しながらも、その奥の知らなかった事情が色々判り、今になって腑に落ちることも多々でした。
国民のなかには違う考えや憂えた知識人もいたようでしたが、もの言えぬ時代でした。
「そんな事を言ったら憲兵に連れて行かれるよ」って子どもを叱ってるのを、よく耳にしたものです。
ドイツと中国の関係もこの本で始めた知りました。
自分の体験したことの、こういうご本が讀めて良かったです。
有り難うございました。
Cakeaterさんも きっと そのうちに!!!

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