雪景色に2013/02/19

吹雪
先日のチューリップの水彩画が心に引っ掛かっていて、撮ってきた写真をパソコンで見ながら透明水彩で描いてみた。
直書きは苦手だな。 輪郭線を描かないと落ち着かない。
結局前のと同じようになってしまった。
気長にまた挑戦しよう。

描き終えてリビングに行ったら窓いっぱいに大きな雪が吹雪いている。
美しい。
ベランダに出て写真を撮ったがモノクロの世界が素敵だ。
何時か展覧会で観た江戸時代の水墨画の大作を思い出した。
松の木の横に降りしきる無数の雪の白い大小の塊をどうやって描いたのだろうとしげしげと眺めた。 マスキング技法は無かったと思うし。 胡粉の厚塗りの感じもしなかった。
水墨画の世界には憧れている。
もう少し水彩で納得出来たら、次にはと思わないではないが無理だろうな。

雪の想い出
終戦の前年に京都の女専の寮に入って冬の寒さに震え上がった。
当時伯母(父の姉)が一乗寺で独り住まいしていたのでよく訪ねたが冬になると何時も粉雪が舞っていた。
畑の中の一軒家で教職を辞して茶道に精進していて端正なたたずまいだったが暖房は小さな火鉢と茶道の小さな炉だけ。
「昼間からお布団を掛けた炬燵など」なんて厭な顔をしていた。
つくづく明治の女性は強かったと何かにつけて感じた。
96歳でベッドから落ちて骨折、入院して間もなく亡くなったが最後まで独り暮らしを通して、背筋をしゃんと伸ばして本を読み、お茶を楽しみ、奇麗な字を書いていた。
何故かその伯母と粉雪が冬空に舞っていた風景が一対になって想いだされる。