夕涼み2009/07/27

今日はやっと夏らしく暑い暑い一日だった。 クーラー)嫌いの私もさすがに一日中付けっぱなし。
クーラーのなかった子供のころ(昭和10年ごろ)はどうやって暑さをしのいでいたのだろうと思い返す。

梅雨が明けると障子、襖を全部取り外して細い座敷用の簾をかける。軒下には外用の長い簾を吊るして日が陰ると巻きあげて紐で括った。無論ガラス戸は開けっ放しで風を入れた。 団扇は必需品で団扇立てを備えつけ、来客があると家人は後ろから団扇で風を送ったものだ。黒い武骨な扇風機のある家も有ったが我が家にはなかった。

夕食が済むと庭に打ち水をして家族そろって縁側で西瓜などを食べながら涼をとる。 こどもは花火を楽しむことが多かった。
今と違って父親も定時にかえってくるから7時に自室に引き上げるまで家族団欒が毎日できた。 テレビやパソコンがなかったせいもあるかも。 時間がゆったり流れていたように思う。

夏は暑いものと思っていたから、むしろ解放感が好きだった。
夜店で買ってきた蛍を蚊帳のなかに放して神秘的な明滅を眺めているうちに何時しか眠ってしまう。
子供だったからだろう、何だか詩情があってよかったな なんてことばかりが思い出される。