夏の想い出2015/07/18

黄金虫
今頃になると小学生だった頃の楽しかった夏が思い出される。
昭和9年からの6年間、子どもにはまだ平和な時代だった。

梅雨が明ける頃になると広い校庭の一隅に日除けが作られた。
太い鉄柱を何本も建ててパイプを渡し大きな簀の子で覆う。

休み時間や放課後にドッジボールや縄跳びなどに飽きると、日除けの柱で陣取りしたり地面に線を書いていろいろの遊びを。
夏と切り離せない楽しい想い出だったが卒業後、あの鉄柱は軍に供出されたのだろう。

夏の楽しみの一つに虫と遊ぶこと。
阪神間は住宅地だったが空き地も残っていたし、庭にも様々な虫がいた。
蜻蛉、蝉は微妙に季節の変移を教えてくれる。

蚊もいるのが当たり前で夕方になると蚊取り線香を、夜は蚊帳を吊って寝た。
網戸なんて無くて夜は雨戸も硝子戸も開け放して夜風で涼を取る。
蛍を蚊帳のなかに放して灯を消してから、蛍の光の明滅が夢の世界に誘ってくれた。

添付する写真を捜していたら以前、公園で珍しく見付けた黄金虫(カナブン?)が出て来て懐かしい話になってしまいました。

マンションに移り住んでからは昆虫と殆ど無縁の生活。
蚊や蠅、蟻、ゴキブリに悩まされることも無く快適です。
散歩に出ても嫌いなヘビに出合うこともない。

ときに姦しかった蝉しぐれを懐かしむことはあるけれど、昔の生活にはもう耐えられないでしょう。