ルナアルの「にんじん」を讀んで2014/12/02

「にんじん」岩波文庫
「にんじん」 ルナアル作 岸田国士訳 岩波文庫
を讀み終えたのは昨夜の12時近くだった。

有名な本だ。
幼い時に讀んだから子ども向けに変えられていたのかもしれない。
少なくとも、私には今回讀んだのはあまりに切なかった。
讀む側の年齢の差だけだろうか。

にんじんは何歳くらいだったのだろう。
昔は小学生低学年を思い浮かべていたが、どうももう少し大きいようだ。

親子、兄妹、肉親が慈しみ合うのが当たり前、特別な関係と信じてはきたし
私は少なくとも親の愛情を疑った事は無かった。
恵まれていたと感謝している。
でもにんじんに共感出来る所も有る。

土地柄と時代の違いか、にんじんの母親の心情は理解し難いが、親子でも合う合わないは有って当たり前、愛情とは別だ。

自分を振り返ると幼くても親が考える以上に子どもは適当に対応してきたなと思う。
不満はなく、何より束縛されなかったのが居心地が良かった。
にんじんより上手く立ち回っていたのかもしれない。

にんじんは著者の自画像ではないと云われているが起こった事柄は違っても感情は投影されているだろう。

ともかく いろいろ考えさせられた。

ルナアルの「博物誌」は微かに記憶が有って再読したくなったが岩波文庫にはないようだ。
あ 今調べたら新潮文庫に有ったから図書館で訊いてみよう。

コメント

_ ユキツバキ ― 2014/12/02 16:23

 美海さんは、どんどん本をお読みになるのですね。
 「にんじん」を再読されたとのことで、びっくりです。
 私は、昔ダイジェスト版で読んだだけです。
 美海さんのように、老年期になり、色々な体験を積んで読み直すと、若いころと全く異なった風景が浮かぶことがよくありますね。

_ びわ子 ― 2014/12/02 18:30

にんじん は小学校の夏休みに課題図書で読んだきりです。
残念ですが、詳しい内容は覚えていません。

美海さんは幸せな子供時代をお過ごしになったから、今の様な素直なご性格なんだと思います。
私は小さい頃、母とあまり相性があっていませんでした。
でも、結婚して自分が親になって初めて心から母を愛せるようになりました。母には申し訳ない事をしたと思っています。
今は遠い天国からいつも見守っていてくれます。

_ 千絵 ― 2014/12/02 19:59

「にんじん」、私も、読んだ覚えは
あるのですが、何だか悲しいお話、
という記憶だけなのは、読んで
辛くて、早く忘れる努力?を
したのかもしれないです。

親子も人間同士、と思うと、
相性がそれぞれでも、
仕方ないですね。文学に表現を
することで、葛藤を昇華できるのかな。

_ らぴ ― 2014/12/02 20:06


私小説と呼ばれている小説も、
実は、30パーセントの事実、と、読んだことありっです。

事実は小説より奇なり?

本読みは、ふむふむ、します(笑)。

_ 美海 ― 2014/12/02 21:00

ユキツバキさん
確かに讀む年齢で感じる事が違うって、この度は強く思いました。
「にんじん」は正直、讀んでて辛かったです。
皮相的な見方なのかも知れませんが。

_ 美海 ― 2014/12/02 21:32

びわ子さん
にんじんが小学校の課題図書ですか。
讀ませたい意図と読書感想にとても興味が有ります。
びわこさんの感想を伺いたかったな(^^;)

私も母とは相性悪かったです。
スキンシップも甘えた記憶もなく、子ども心に母の期待に添えないで済まないと思ってました。
母の事が理解出来るようになったのは私も自分が結婚してからです。
57歳で逝った母に対しては後悔する事ばかりです。

_ 美海 ― 2014/12/02 21:53

千絵さん
やっぱりそうですか。
お互いの愛情が深い所で垣間見える気もするのだけど・・・
辛い話ですよね。
これだけ世界中で読み継がれているのは何故なのかと素朴な思いです。
巻末の(「にんじん」とルナアルについて)を讀むと或る程度理解は出来るのですが・・・

_ 美海 ― 2014/12/02 22:02

らぴさん
う〜ん やっぱり私には文学、向いてないのかな。
いろいろ 考えてしまって 混乱(ーー;
ダメだなぁ

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