小さな温もり2011/12/10

楓
昨日の午後から晴れた青空が今朝も続いていて久しぶりに厚手のセーターなどの洗濯物を干してスッキリする。
こんな日は歩いて置かなくてはとカメラだけポケットに入れて出掛けた。
この辺りもやっと楓が真っ赤になってきているので何時かスケッチした小さな渓谷のほとりの何本かの楓を訪ねることに。
脇道にそれた奥の坂道を少し登った所なのだが粘土質の土が湿っていて滑りそうで怖い。
以前は気にもしていなかったのに・・・
それでも向こうに見える緋色の塊に惹かれて用心しながら登った。
傍らを苔むした石の間を水が淀みながらも流れている。
足場が悪くて良い写真は撮れなかったが気分だけは最高だった。

登りよりも降りるほうが難しい。
少しの草を頼りに一歩ずつ足場を選びながら進んだが最後の所で止まってしまった。
また遣ってしまった。
用心深い性格なのに後のことを考えずに突き進んで後悔することも多い。
暫し考え込んでいたらこれから集合するらしい野球のユニホームを着た少年達が三々五々通りかかった。
私が通り過ぎるのを待っている。
思わず
「ちょっと手を握ってくれる?」
と声をかけると ひとりの幼顔の残る少年が手を差し伸べてくれた。
無事に降りれて
「サンキュ〜 有り難う」 とお礼を言った。
黙って皆と一緒にさっと駆けて行ってしまったが手のほのかな温もりが嬉しかった。