選挙の想い出2010/07/10

夏の富士山
テレビの政見放送を見ながら 昔々のセピア色になった情景を思いだした。
父と二人で川縁の道を歩いていた。 小学生になっていただろうか?
今の私からは考えられない無口な子だった。
ふと、選挙の候補者のポスターが目についた。
確か父が投票してきたって話を小耳に挟んでいたので、
「誰に投票したの?」
と唐突に父に話しかけた。 どうしても聞きたいという好奇心もなかったのだが。
父は真面目な顔で
「選挙というのは誰に投票したかは、人に言わないものなんだよ」
何でも対等に話してくれる父だったから、子供心に選挙の重みをずしんと感じた。
母には選挙権が無かったから、家ではそういう話題が出る事は無かった時代だった。

昭和10年代には日本は軍国主義に傾斜して行き言論弾圧の暗い世相になっていく。 議会ではいつも全員賛成で可決。軍人が首相になったとき父が危惧の言葉を呟いたのを私は聞いている。

敗戦後、若者は政治に期待し、それを動かすのは自分たちだと燃えた。 私も選挙権も無いのに満員の演説会を渡り歩き大学生達の社研で論じ合った。

いつから国民は政治に興味がうすれた、いや期待しなくなったのだろう。
私も正直、関心は薄いし、期待もできなくなった。
年齢を考えてしまう。