昔の本2012/05/18

池(五月のスケッチ会で)
今日は昔のお仲間達はスケッチ会だとか。
お天気の急変が有りそうな予報に心配だったが無事そう。
楽しかったなと元気に参加できた頃が懐かしい。

予定のない日は朝から眠くてうだうだしているちに、もう夕方だ。
先日戦前の岩波文庫を探し出して懐かしかったので書棚をまた漁った。
引っ越しした時に処分するに忍びなかった汚れた本が何冊か有る。
「感覚の世界」ブッデンブロック著 創元科学叢書
最後の頁にS.18と私のサインが。
定価弐圓参拾銭の本を思い切って買った喜びが溢れてるようだ。
女学校の4年生になったばかりだったな。

家に世界文学全集が有って小学生の頃から讀んでいると恋愛なんて感情は理解出来ず鬱陶しくて昆虫や科学の本に惹かれていった。
自分で初めて買った科学本は
「ロウソクの科学 」ファラデー著 岩波文庫
薄い本だったが子ども向けの本で本当に面白かった。
「化学の学校」というのも有ったかな。
いろいろ買ったけどハードカヴァはなかなか手が届かなかった。
あの頃の子どもって親にねだることはあまり無かったように思う。

「感覚の世界」の表紙を見てアレッと思ったのは題名が戦後と同じに左から右に向けて書かれてることだった。
奥付きを見ると昭和十八年四月十五日発行とある。
それにしても今拾い読みして感じるのは、古い!
電波が伝える機器はラジオしか書かれていない。
懐かしくは有るが複雑な心境だ。
文学に描かれている感情はあまり変っていないのだろうに。
しかし科学には新しい発見、研究の成果を聞く楽しみがある。
どうも私は文学には向いていないようだ。