電話機の話2014/03/30

電話機
携帯電話より固定電話機のほうが安心して話せるのはヤッパリ昔人間だなと思う。
受話器をしっかり耳に押し当てて、口の直ぐ前に話しかけないと何だか心許ないのだ。

それで友達と夢中になってお喋りして2時間くらい経っているなんて珍しくない。
貰った電話で申し訳ないという気持ちも薄れて来たのは昔に比べて電話料金が安くなったからだろう。
(無論、感謝はしてます)

機器類の新しいモノには目がなかった夫は、戦後やっと電話が引けるようになるといち早く購入した。
黒いダイヤル式の懐かしい形だ。
債券を買うことになっていて安月給でそんな余裕は無く義母に借りることにして私が行くと義母は
「まあ 貴女にそんなことさせるなんて。」と言いながら
さっと用意してあった包みを渡して下さった。
優しいお義母さんだったな。

新しい機種が出ると喜んで、最先端の子機が4つか5ついてファックスが出ると飛びついた。
私も好きだから、収入の割に楽しんでいた。

今のマンションに越して来た時に電話機も新しくしている。
設定は勿論、夫まかせだった。
そして一年後に夫が亡くなり、私は説明書を見ることも無く惰性で使って来たが9年目の昨年に子機が故障して、もう買い換えなくてはと電気店を回って調べたら安くなって多機能なのに感心した。

でも念のためサポート窓口で聞くとチョットした故障で聞きながら直せて
「ま 自分の先を考えれば買い換える必要もないかぁ」と。

でも老体だな、最近は長電話すると子機の電池切れが起こる。
折も折り、電話が必要なことが出来て去年買い換えて慣れておけばよかったと後悔したが仕方がないから電池切れの心配のない親機を使おう。
買ってから親機は一度も使ったことがないし種々の便利な設定もしていない。

幸い古ぼけた説明書が見つかったから初めて讀んでみよう。
夫の有り難さが今頃になってわかる。