古い絵2014/09/13

漁港の生簀
以前住んでいた家から海辺までは歩いて5分もかからなかった。
小さな漁港で裏手に回ると細い橋の向こうにトタン屋根のついた生簀が眺められた。

引っ越した当時、珍しくて毎日のように浜辺を散歩したが人けの無いこの場所が気に入ってスケッチをよくしたものだ。

市主催の絵画教室に少し通ってみたが馴染めず一人で描いてた頃のもの。
稚拙だけど潮風に吹かれながら静かだった穏やかな日々を思い出す。
何故か夫が気に入ってくれて書斎にしていた8畳の床の間にずう〜っと掛けてくれていた。

今ごろ添付する気になったのは、たまたま最近長く絵を描かれてこられたベテランの方とお話しした時に
「昔描いた絵も捨て難いのよね」 と。
絵にはその時々の思いがあり、描いた時の想い出もイッパイだ。

引っ越しの時に記念に写真を撮った後、大半を貰って頂いたり処分したけれど、この絵は何となく持って来て今もアトリエ兼物置きの壁に掛けている。

秋の夕日が落ちる頃だったかな。
時の流れは二度と還らないと柄にない憶いに耽りながら20数年前に描いた絵を眺めた。