母を偲んで2013/07/30

母を偲んで
今日は明治35年生まれの母の命日だ。
今の私から見れば57年の生涯はあまりに短い。
心境の変化か、珍しく生花を買って写真を飾ろうと花屋さんに淡いピンクのガーベラに少し青みを帯びた小花を添えて貰った。

さあ 飾ろうとしたら母の写真が殆ど無いことに改めて気が付く。
昔だって家族の記念写真は毎年撮ったし、スナップ写真も少なからず有ったのに焼き増しするってことがなかったから今も兄の家にあるのだろう。
余談だが夫も跡継ぎだったから我が家には私には名前も判らない昔の写真がイッパイ残っている。

女学校の入学時に学校に提出するために撮った父母と私の写真を見付けて額に入れて花を飾った。
昭和15年の春だ。 母も若かったな。
地方都市だけど結構手広く大阪などへも出荷していた商家で育ち、末っ子でお琴を習ったり大事に育てられたようだ。
女学生の時に友人三人で撮った写真では皆着物姿で子ども心にも母は華やかに育ったのだと思った。

戦中、戦後の特に父が亡くなってからの苦労を思うともっと長生きしてくれたら少しは喜んで貰えることが出来たかもと心残りだ。

去年の暮れに5人でミ二クラス会した時、何かの話から
「私、死んだら大好きだった母に会えると思うと少しも怖くないっていうか、むしろ楽しみにしているのよ。
だって本当に可愛がってくれたもの」
それを聞いて皆、一瞬言うべき言葉が見付からない空気が流れた。
そう思える彼女は幸せだと思ったが、後で聞くと彼女は小学生の幼い時にお母様が亡くなられたそうだ。
何不自由なく幸せそうだけど、誰しも苦労は経験しているのだ。
皆、グチや不満は言わない。

変った子どもだった私に母は苦労しただろうな。
喜ばせることの少なかったことを写真の母に ゴメンネ と呟く。