昭和15年2011/11/30

皇帝ダリア
連ドラの「カーネーション」の舞台も昭和15年になり当時女学生になったばかりの私が見た昭和の風景が懐かしく重なって見えてくる。
大陸の戦争は続いていたし従兄弟も出征していたが内地に緊迫感はあまりなくて皇紀二千六百年のお祝い行事の印象が子どもだった私には強く残っている。
皇紀は神武天皇の即位に基づくのだが今の若い方はご存知だろうか。

これを記念して東京オリンピックの誘致も進んでいて楽しみにしていたのに日中戦争の長期化で実現しなかった。
それでも「紀元は二千六百年」という歌も作られたりして何となく明るいお祝いムードが有ったのに、一連の行事が終わった途端に国民生活に対する締め付けが強くなった雰囲気を子ども心にも感じられた。
女学校に入学して制服が間に合わず半月ばかり私服で通うなんてことはこれまでには考えられなかったから物資は徐々に不足して来ていたのだろう。
スフというあまり良くない布地が普及して来たのもその頃だった。
しかしまだまだ空腹に悩まされることも無く父親は毎週ゴルフに、母や姉とは宝塚や映画に行けるくらいの雰囲気は残っていた。 

今日お昼前に青空に誘われて「皇帝ダリア」の写真を撮りに行ったら華麗に咲いてはいたが盛りは過ぎていた。
11月の花だもの、明日からは12月厳しい冬が待ち構えている。 
昭和15年という年がダブって見えた。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
干支で寅の次は何でしょう?
(平仮名3文字でお答えください)

コメント:

トラックバック