退院しました2011/11/02

秋空のブルーが美しい
予定通り10月24日に入院、翌日左目手術、1日置いて右目手術して31日に無事退院しました。
ご心配して下さった皆様、貴重な体験談をお聞かせくださった皆様本当に有難うございました。

1日3〜4種類の点眼とか薬とか眼の保護とか・・・
うっかりやの私は緊張の連続だけどまだテレビもパソコンも程々にと釘を刺されているので退屈でも有ります。
まだ目薬のせいかショボショボしてるけど確実に世の中が明るくなりました!
景色が奇麗で感激です。

手術や入院生活のこと書いて置きたいと思っています。
私にとっては貴重な体験でした。

白内障手術記12011/11/04

野菊とホトトギス
何年も前から気になっていて、今年初めて眼科の先生が
「もうそろそろスッキリさせましょうか」
と最寄りの病院に紹介状を書いて下さったのが真夏だった。
それから手術まで3ヶ月近く待つ。
楽しみより不安のほうが強かったのは膵炎や胆嚢手術の長期入院後で体力が弱っていたせいもあるだろう。

やっと入院の日が来た。
今度は前回の突発的な救急車による入院じゃないから一週間の留守に備えて新聞も断り冷蔵庫も空っぽにして持参するものもバッチリ整えて家人に車で付き添ってもらった。
友人の経験者から
「深刻な病気じゃないから大部屋で友達が出来て楽しかったわよ」
と聞いていたから4人部屋を希望する。
お陰で5歳お若い方と親しくなりお互い情報交換したりして助けられ楽しい時間を過ごせた。 感謝。

食事は配膳車の到着のアナウンスで受け取りに行きそのまま景色の良いダイニングルームで。
以前の病院も美味しかったがここも結構良くて食が進んだ。
病室と違ってルームメイトとも気兼ねなく話がはずむ。
翌日の手術の不安を抱えながらも先ずは平穏で物珍しい1日目が過ぎた。 無論検査や説明や色々で忙しくもあった。

白内障手術記22011/11/05

名前不詳 これって莟?
白内障手術入院の体験を書きながら、これって私個人の感想だし病院によっても違うだろうから誤った先入観を持たれたら申し訳ないなと心配になった。
病室で親しくなった友達と
「貴女 眼がゴロゴロ痛まない?」
「うん ちょっとね」
「そうぉ 安心したわ」
なんて話ばっかりしてたら「他人とくらべないように」って一般的注意があったからお見通しだなって顔見合わせて苦笑したものだ。
ということであくまで個人的な体験談です。

手術日は私は3番目で10時半頃手術衣に着替えて看護師さんと家人に付き添われて手術室に歩いて行く。
控え室に入ったときは緊張の極みで
「今日はどちらの眼ですか」の問診に自信たっぷりに
「右眼です」
と答えて周りが噴き出した。 慌てて「左眼」と訂正。
お陰で気持ちがほぐれた。

手術中のことは強烈な体験だったのに今は夢の中の出来事にように思われる。
強烈なライトを見つめながらただ動かないこと咳をしないことだけを念じて気がつくと全身が強ばっていて何度も力を抜いた覚えが有る。 痛みは殆ど気にならなかった。
執刀の先生を信頼していたし、途中で話しかけて下さるのが有り難く初体験に興味津々てとこも有った。
終って当てがねとガーゼで左目を覆って控え室に戻るまで約30分間、車椅子で病室に運ばれそれから30分静かに寝て終った。

丁度昼食時刻になってダイニングルームで食事する。
片目で歩くのも思っていたより怖くはなかった。
明朝の診察で覆いを取ったら世の中どんなに見えるだろうということばかりが気になった一晩だった。

白内障手術記32011/11/06

ピンクが鮮やか
左目手術の翌朝は看護師さんが当て金をはずしてガーゼに交換してくださったが、まだ外界は見られない。
朝食を済ませて眼科の外来に行ってガーゼが取られて初めてこわごわ辺りを眺めた。
明るい! 白っぽい!
戦後蛍光灯が普及しだした頃の感覚に似ている。
透明感の有る微かにブルーがかった白の世界が広がっていた。

壁にかかっている横長の大きな額の白地にデザインされたハートが5個程ならんでいる絵を片目に手を触れないようにかざして見比べてみる。
まだ手術していない右目ではくすんだベージュ色に暗い色調で描かれているのに手術後の眼では真っ白な紙に色鮮やかなハートが踊っていた。
検眼はまだ時間を少しかけないとハッキリ見えないけれど異常はなさそうで安心する。

病室に帰ってからもあちこちの窓から街のビルや樹々を両方の眼で比べては感慨に耽る。
でもまだ明日の右眼の手術を控えているからやっぱり不安な気持ちだった。

白内障手術記42011/11/07

無題
左眼の手術から1日置いて残る右眼を。
今回も2時間かけて駆けつけてくれた家族に付き添われて手術室に向かった。
経験したせいだろう さして緊張感も不安も殆ど無いのが我ながら不思議だった。 
先生はじめスタッフの方々への信頼感が大きかったと思う。 
手術中に和やかに声を掛けて下さるのが本当に有り難かった。
私は前回と同じく動かないこと、咳しないこと(普段突発的に出るから)だけを念じていた。

ライトは強烈だったけれど前回と同じく30分で総てが終った。
車椅子で送って貰って病室のベッドで30分休んだ後家族に見守られて昼食をとる。
ああ これで明朝当て金をはずして頂いたら終わりだな。
手術すると決めてから4ヶ月近く色々有ったけれど支えてくれた家族や多くの方々に感謝の思いがじわ〜っと広がった。

そして次の日の朝ガーゼが取れて待望の両眼が揃った!
明るい。
まだ少しぼやけていて焦点も定まらない感じだがともかく明るいのだ。
窓外の秋空のブルーに紗の様な白い雲を眺め、遠くの白いビルに掲げられた字を読み、廊下の掲示板を片っ端から読んだ。
面会室のテレビも美しく見える。
まだ本やテレビは程々にということだったから後はベッドで大人しく寝ていた。

ほっとした反面、することも無く寝ていると色々な思いが湧いてくる。
手術の前は無事に成功することだけを願い、もしもって不安でいっぱいだったのが安心すると同時に常焦点の距離の選択は良かったのかしらと気になった。
近くは老眼鏡でと納得してお願いしたのに新聞の小さな字がパッと眼に飛び込んでくるのもいいななんて。
「無い物ねだり」「隣の芝生は青い」は一番くだらないと自戒。

後の3日間は外来での検査と先生の診察、日に4回4種類の目薬の点眼指導などなどで結構忙しく、その間にルームメートと一緒に食事したり面会室でテレビを観ながら談笑したり情報交換したりで今回の入院生活も恵まれていたし貴重な体験だった。