カバーの写真に寄せる想い2014/02/28

最後の旅行先で
今度の本のカバーには、いろいろな懐かしい品物や写真をちりばめて下さった。
夫とツーショットの写真はことに思い入れがある。

歳末の押し詰まった時に最後に行った病院で検査の結果やっと膵臓癌が発見されあと3ヶ月の余命ですと宣告された。
夏前から随分病院を回ったのに判らなかった。
主治医の先生に
「行きたい所が有ったら早いほうが・・」
と言われて、年が明けて早々に家族旅行をする。

夫の育った京都で生家や通った高校や大学、ボート部だった琵琶湖、馴染みの金閣寺にお墓、市街を見渡す山やよく遊んだ植物園などなどを回って彼の想い出話を聞いた。
夜には点滴をしながらの旅行だったが家族の温かさが身に沁みた。
彼も直接にハッキリと医師から余命のことを聞いていたのに、動揺することも無く、旅行を喜んで心から楽しそうだった。

写真はその時のツーショット。
割合お洒落だった彼にしてはくだけた格好だけどいい表情だ。
となりで私はおどけている。
悲壮感の無い明るい旅行だった。

3ヶ月と宣告されたが、この年の12月始めまで二人の生活を楽しむことが出来た。

偶然、想い出深いこの写真を選んで載せて下さったことが嬉しい。 
ルーペで見ても判らないと思うので思い切って添付しました。
あとの品々への想いはまた後日。

今日はアトリエはお休みで、友人と家人が出展しているボタニカルアート展を観に行き、その近くの新しく出来たレストランで軽食を楽しんだ。
昨日に引き換え日射しが暖かく春の近いことを感じる。