煙を見ながら2014/02/22

煙り
朝、ベランダに出ると遠くに煙が立ち登っているのが見えた。
ゴミ処理場の煙突なのかしら。
煙って滅多に見る事が無くなったなと白い雲のような煙を美しく感じる。

昭和の初期の町は煙突がいっぱいだったことを思い出す。
中でも銭湯の煙突はコンクリート製で黒い煙が立ち上っていた。
家でも、ガスはきていたけれど魚などを焼くのは台所の外で七輪の炭火で渋団扇で煽ぎながら焼くから黒い煙が上っていたし、ゴミや落ち葉の焚火はしょっちゅうだ。
  
 たきびだ たきびだ おちばたき
 あたろうか  あたろうよ 〜 ♫

薩摩芋を真っ黒く焼いたのも 懐かしい想い出

小学生の頃は父の勤務していた病院が大阪だったからよく一人で電車に乗って訪ねたが途中の尼崎辺りから工場が多くて林立した煙突からの黒煙で空が曇って見えた。
大阪は煙の都とも呼ばれていた。

あのころは蒸気機関車の煙も凄かった。
トンネルに入る前に窓や通路のドアを閉め忘れると黒煙が車内に充満して咳はでるし、顔も黒く煤けて下車すると大急ぎで顔を洗った覚えが有る。

そのかわりに自動車はまだ珍しい時代だったから大気汚染は問題視されなかったのかも。

結婚して間もない頃、山の上に住んでいて少し離れた所に焼き場が見えた。
時々その煙突から白い煙がたっていて、ああ亡くなられた方がいらっしゃると遣る瀬ない思いで眺めたのも遠い昔。

冬空に立ち上る白煙を眺めながら昭和初期の風景が思い出された。