夫の定年後に2012/12/10

1988.12.10の夕日
古いスケッチブックのなかに見付けた「88.12.10 m」のサインに思わず沁みじみ眺めてしまった。
広縁の端っこに置いた丸テーブルにスケッチブックを広げて富士山や海をよく描いた。
対岸に沈む夕日は毎日違うダイナミックな色に魅せられたが刻々と変る色合いについていくのは難しかった。
でも今眺めると総てが懐かしい。
12.10の日付に ああ今日じゃん と嬉しくなって写真を撮って添付した。

定年退職して、違う環境のところに住みたいという夫の希望で伊豆や那須、富士山麓など毎日ドライブして捜しまわった。
いろいろな土地や家を見て結構楽しんだけれど住むには不安、でも家計を支えてくれた夫の希望は叶えたい。
内心迷っている時に偶然見つかった物件に私は夢中になってしまった。

街に近い、景色抜群、大好きな海の近く、家も庭も広い。
ただ庭も家も荒れていて夫は躊躇ったようだ。
古い日本家屋はよく見ると天井は高く柱も天井の羽目板も良いものを使っている。
取り壊すのは勿体なくて地元の大工さんに補修してもらってバス、トイレ、キッチンなどだけはすっかり新しくした。
荒れた庭の大木を二人で伐採して芝生にしたら海が目の前に開けた。

18年間 二人でそれぞれ好きな事をしながらいっぱい楽しんだな。
蛇やマムシや蚊の大群、ヤモリや大きな蜘蛛は苦手だったけどタヌキやアライグマやリスは可愛かったし鶯やメジロが遊びにくる。 カラスの赤ちゃんとも声かけ合った。

二人で定年後を十分に楽しませてもらった。
一枚の今日の日付の絵を見ていたら想い出が溢れて来て・・・。