古本屋2009/11/30

古代地図とライムの鉢

初めて古本屋に入ったのは昭和初期の女学生に成りたての頃だったろうか。
無論 親には内緒。 教会の日曜学校の帰りに一駅先の大きな書店に必ず立ち寄って1時間くらい本を眺め、一ヶ月2円のお小遣いでどの本を買おうかと迷った。
欲しいハードカバーの本はは2円くらいしたから,大抵岩波文庫を買う。 星一つが20銭の時代だった。
書店から旧国道を歩いて帰ると幾ばくかの小遣いが増える。その国道沿いに軒の低い暗い古本屋を発見した。
おそるおそる入って書棚を丹念に見た。 安い!

大胆なことを考えついた。 読み終わった本を売って代わりを買えばいい! 不衛生な事に喧しい親には内緒にしよう。 無口で大人しい子どもほど黙って実行してしまう。

次の日曜日、読み終わった岩波文庫を4〜5冊持って店に行った。 怪しまれる事も無く幾らかのお金に換えて、買う本を探した。 迷った末に買ったのが「ベン・ハー」。
何度も映画になって有名だが当時の私にそんな知識はなく、ただ面白くて夢中になって読んだ。 繰り返し読んだから今でも細部を覚えている。 映画は見る気にならなかった。

その時に売った本にはハーディの「優しき少年」など後で手離した事を後悔したからか、あの暗い帳場の小父さんが恐かったからか、2度と本を売りに行くことはなかった。

しかし大人になると古本屋と古書店は大好きで新しい土地に行けば先ず場所を覚える。 今はブックオフの常連だ。