大昔の写真から2017/11/08

整理していると、つい大昔の写真を見付けて想い出に耽ってしまう。
結婚した昭和25年はマダマダ質素な時代で、結婚式が挙げられただけでも幸運だった。
それでもムリして鄙びた温泉に行き、その後で夫が出社すると瀬戸内海の島の工場への出張が待っていた。

上司の方の粋な計らいだったみたい。
大喜びで付いて行き、瀬戸内海の島々を巡って楽しかったな。
彼が仕事で工場に行ってる間は、独りで自転車を借りて連絡船に乗って見知らぬ地を走り回ったものだ。

尾道では林芙美子の小説を思い出しながら、長い石段を登って俯瞰する景色を楽しんだ朧な記憶が蘇る。

以前に書いた覚えが有るが、沖に突き出た防波堤を自転車で走っていたら段々細くなって、ついに転落。
気が付いたら辛うじてコンクリートの端に掴まってて、よじ登れたけれど自転車は海の底。
ハンドルにかけてたハンドバックが波の上に漂っている。

大急ぎで走って近くの民家の物干し竿をお借りして、辛うじて救い上げたのも今は懐かしい想い出だ。

新婚早々の夫には内緒で夜中にそっと水浸しになった紙幣を乾かしたものです。

沈没した自転車は、近くに居られた漁師さんがたに引き揚げて頂いて、貸し自転車屋さんには平謝り。

まったく、良妻賢母には程遠い結婚生活の門出でした。