古い思い出が2017/01/24

公園を散策しながら珍しいモノが目に入った。
戦前の民家が保存されていて土間には昔ながらの竈(かまど)が有り、座敷には囲炉裏が。
子どもの頃、山奥の父の生家を訪れると、こういうのが有ったなと懐かしい。

解放された広い縁側に腰かけて一休みさせて頂くことが多い。
裏口に水を張った古い容器が有るのは知ってはいたのだけど。

よく見たら戦時中の記憶が蘇った。
「防火」の字が右から書かれているから戦前のものだろう。

私が育った町でも塀の外側の勝手口の戸の傍には、黒く塗られた木製の大きなゴミ箱が置かれていた。
戦争が始まってからはその横にコンクリート製の防火用水が置かれるようになった。

無論、焼夷弾が落とされた時の消火のためだ。
そのために家庭の主婦は、在郷軍人の指揮の下にバケツリレーの訓練にかり出された。

まだ女学生だったから参加した覚えは無いし、間もなく家を出て京都での寮生活で戦災に遭わずに済んだ。

でも防火用水の字を眺めて古い、朧になった記憶が蘇る。
しかし、その思い出を語り合い、確かめられる人も居なくなりました。

薄れて行く昔の風景を自分のために書いて置こう と。