記念日2015/11/04

冠雪の富士
11月4日は結婚記念日、65周年だ。
でも夫は11年前に帰らぬ人になったから今更お祝いでもない。

ただフッと平安神宮で挙式した時のいろいろのシーンが眼に浮かぶ。
敗戦後5年経って日本も貧しいながらも式が挙げられるくらいに復興していた。
丁度一年前に兄が平安神宮で結婚式をしたばかりだったので、私もって感じで決めたが披露宴をする会場も無く庭園内の迎賓館だったと思う。
こじんまりした建物で料理場もついていた。

母は父が亡くなってから疎開先きで婦人の友の「母の会」に入って大勢の友人に恵まれ、私の披露宴もそのお友達が全部仕切ってくださった。

ウエディングケーキもお手製、お決まりのイザって時になって肝心のナイフが無くって
「これでどうかしら?」
親しいメンバーの方が大きな包丁を持って来られて爆笑。
結局それを使わずに済んだと思う。

記念写真はスタジオなんて無いから、神宮の内庭の池のほとりの傘を拡げたような松の大木の下で撮ってもらった。

もう色褪せているが寝室の壁にその後の家族の記念写真とともに飾って毎日眺めている。

生き方は人さまざま、夫々の幸せが有ると私は思う。
私も自分には過ぎた幸せを貰ったなと、この日が来る度に感謝の気持ちが湧く。

添付写真は、朝遠くに頭だけが小さく見える富士山が覗いていたので、急に思い立って富士見台に散歩してついでにスケッチを。
湘南で毎日対岸の富士山を眺めた夫との最後の18年間を思い出した。