千人針の想い出2015/03/08

雨上がりのパンジー
昨日兄の出征のことを書いたら、千人針のことも頭に浮かんだ。
朝ドラでもその光景が出ていたし思い出される方も多いと思う。

お腹に巻けるくらいの大きさの晒木綿に千個の点を書き並べ、表側に赤い木綿糸で玉結びをしてもらう。
玉結びをしたら糸の着いた針を裏から隣の点から表面に。
表は赤い点が並び、裏は赤糸で格子状になっていた。
(朧な記憶です)

街角に立ち、通りがかった女性は結び玉を作りながら武運長久を祈ったものだ。
寅年の方は歳の数だけする習いだったから年配の方は大変だっただろう。

兄が出征する少し前に姉が里帰りしていて、千人針を用意した。
何と木綿地の真ん中に油彩で絵を描いた。
今思い出せないが戦意高揚の絵ではなくちょっと素敵な絵だったな。
私は少し離れた所に甲冑の土偶のようなのを描いたような覚えが有る。

点の色まで洒落ていて、私はこんなのを古参兵に見られたら苛められるのでは無いかと心配した。
寮に持ち帰って皆にしてもらったが千個は大変だ。

憧れていた上級生に回してくれるよう頼むと二日程して持って来てくれたが少ししか捗っていない。
「ステキだから、して貰う人を選んだのよ」
まことにユニークな個性の強い彼女で、それで仲良くして貰ったのだけど。

兄の出征の日は迫るし焦りました。
その千人針を兄が喜んだか、その後どうしたのか聞く事もなく数十年が過ぎた。
生きててくれたら昔の話をイッパイしたかったなと今日も思う。

添付写真は今朝、家人のとこに行く途中、雨上がりのパンジーが瑞々しくて。