11月3日に思うこと2014/11/03

ハゼの紅葉
11月3日は「明治節」と言ってももう殆どの人には通じない。
明治時代には「天長節」と呼ばれたのだろう。
私は昭和2年生まれだから「天長節」は4月29日でこの日は平成になって「みどりの日」になった。
そして「明治節」は戦後、「文化の日」に。

母も義母も明治生まれで、明治天皇を敬愛していた。
癌で余命を悟った義母は明治天皇崩御の7月30日に死にたいと云って夫を困らせたが、今思うと維新で世の中が新しく変貌した時代は独特の感情があったのだろう。

明治節は「晴れ日」といわれ、もし悪天候だと凶事が起こると何となく聞かされたものだ。
小学生の頃は他所行きの服装で式に出る。

講堂の壇上には立派な大輪の菊が飾られ、正面の扉が開けられていて紗の垂れ幕が引き揚げられていてご真影を拝する。
先生方も正装して厳粛な雰囲気だった。
明治天皇の肖像ではなかったなと今考えてしまった。
もう 夫に聞くわけにも行かない。

式が終ると解放された気分で秋日和の校庭で皆で思いっきり遊んだものだ。

長く続いた戦争が終わって「文化の日」になって60有余年が経つ。

添付したくて、昔懐かしい大輪の菊の写真を捜したが見当たらなかった。
以前は年寄りの趣味で庭先に一輪咲きの見事な菊の鉢がよく見られたのに。
かわりに前の家の小高い処に有ったハゼを写生したものを。
今も変らず美しく紅葉しているかしら。