桜桃の熟すころ2014/06/23

サクランボの産地で
ストアに艶艶した可愛いサクランボが並ぶ季節になった。
美味しそう。 でも高価だな。
自分ひとりの為だけに買う気にはなれない。

ふと 3年前に
「お母さん ドライブに行きません?」
即座にOKして、彼女の横に乗せて貰って行った先が山梨だったことを思い出した。

半年あまりの入院生活で窓から見えるのは空だけだった身には、車窓の外を流れる深い緑に癒された。
遠くの山々の稜線の美しさ、白い雲の浮かぶ青空に生きている実感が湧いた。

やがて幹線を離れて郊外にでるとサクランボの栽培地があちこちに見える。
こんなに多くのサクランボの樹を観たのは生まれて初めてだったかも。
直売所のある一角の囲いの中に入れてもらって、樹肌に触れ、赤く熟れたサクランボを見上げる。

直売所の小屋の中には、大きな箱にイッパイの熟した実が無造作に入れられていて新鮮な驚きだった。

確か、二つくっついたような売り物にならないのをおまけに頂いた。
帰りの車の中で食して美味しかったな。
あの時のブログに書いたと思う。

あれから3年が過ぎて、お店に並んだサクランボを見ながらあの時の楽しかった事を久々に思い出した。

車好きだった夫が亡くなって10年、朝急に思い立って箱根や三浦半島を一周して気侭に遊んだ日々はもう戻って来ない。