義弟の命日2014/05/15

追憶
今日、五月十五日は夫の弟さんの命日だ。
白木のお位牌の裏に 昭和二十二年五月十五日 二十五歳 とある。
数え年ではないかと思うがもう確かめられる人はいない。

夫とは一歳違いだ。
義母は女の子3人の後に生まれた男の子二人をとても可愛がっていたようで私達が結婚した時にはもう亡くなっていた弟さんのことをよく話してくださった。

夫と同じ中学に通っていたが旧制高校は中学の4年から受験出来たので試しに受けた地方の高校に合格して、夫はその年に京都の高校に合格した。
京都の旧制高校は関西では皆が憧れていたから弟さんは辛いものがあったようだ。

その後、夫と同じ京都の大学に入る段になって哲学を志望したのに父親の反対で断念したとか。
義母があんなに早く亡くなるのだったら希望を叶えてやりたかったと、その淋しそうな眼が忘れられない。

大学途中で結核に罹り、卒業したが就職することもなくすぐに亡くなられた。
最後の様子を義母から聞く度に貰い泣きしてしまった。
双子のように何時も並んでる古い写真を見ながら、夫にも私も良い相談相手になってくださっただろうと思うことが多かった。

京都では葵祭の日だ。
榊を新しくして清酒、洗米、塩を供えて手を合わせながらもう想い出があるのは私独りになったなと長い歳月を思う。

添付写真は昭和6年、後ろに立っているのが夫だ。
小学2年生と3年生だろう。 義母も若かったな。