読書雑感2013/12/12

豊かな気分になる
読書について考えていたら12年前に書いたエッセイもどきが見つかって懐かしかった。
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     「読書雑感」 
最近読書が人生にどれだけの意義があるのかとあらためて考える機会があった。

私は字を覚え始めたという記憶がない。
ものごころ付いたときはもう本を讀んでいて読書は生活の半分くらいを占めて今日に至っている。
人と話したり、旅行したり、自然を愛でたり、喜びや哀しみに遭遇して人生について考えたりするのと同じレベルで本を讀み活字になった言葉の醸し出す世界で遊び、新しいことや違う考えを知ってきた。
本が好きだから讀まずにいられないだけだ。
(中略)

幼時旧約聖書物語りの人々やパレアナ、ハイジ、アン、セドリック、セーラー、ジョン、モ-グリーたちに出会えたことは幸せだった。
本のなかに友達がいれば現実の交友関係や学校でイヤなことがあっても大して苦にならなかった。
これは逃避かもしれないが少なくとも今自分のいる所は世界のほんの一部だと感じていた。
別に漫画でも映画でもよいとは思う。
 
人生に疑問を感じる年頃になれば、これはもう哲学書をかじるしかない。
解っても解らなくても。
解らなかった。  でも讀んだことで一応の納得をした。
漱石と芥川を嘗めるように讀んだ。鏡花に酔い、世界文学全集に没頭し日本の戦後文学をむさぼった。
ミステリの謎解きに狂い、今はエッセイに興味がある。
大きな書店の本棚を眺めるとわくわくし、その中にぎっしり詰まった内容を考えると気が遠くなる。
本ほど安いものはないと思う。
本中毒に近い。
その私が読書についてとやかく言えないですね。

読書も趣味の一つ。 人間性を豊かにし人生を楽しむ一つの部分だと思う。

読書についてなど書く気になったのは、最近蔵書をサッパリと処分したという人の話を聞いたのも一つのきっかけです。
我が家の一間幅の廊下の両側の本棚は天井まで本で溢れ文庫本は二重になっている。
処分したらと言われ続けながら愛着は捨てられない。
読書も好きなら讀み返して古ぼけた本も実にいとしい。
「解脱」には程遠い煩悩と執着の塊りではあります。
                     2001,12,30
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晦日によくこんな物を書いてる余裕が有ったな。
この3年後に古い家からマンションに越して一番のネックだった本の山は家人が引き受けてくれた。
引っ越して10年、何時の間にかまた本が溢れている。
用心して成る可く図書館で借りるのだが哀しいことにすぐ忘れてちょっと読み返したい時に無いのは淋しいものだ。
ま ネットで概略をみればある程度思い出せるのは有り難い。

読書の傾向は時代と年齢によって変ることも痛感する。
ただ幼い時に讀んだ本が今も手元にあったらどんなに嬉しいかなとよく思う。