小さな自然2013/10/09

ギンナンが
昨日の散歩で銀杏並木を通ったらまだ葉は全然緑なのに、根元に淡いピンクがかった小さな実が散らばっている。
足先でチョット踏むとギンナンが現れた。
見上げると葉陰のあちこちに実が鈴生りだ。
茶碗蒸しが懐かしくなった。
でも拾って持ち帰える勇気はない。

60年近く前になる。
女専で勉強してた頃の或る朝、教室に入ると寮で一緒の二人が顔を無惨に腫らして恥ずかしそうに坐っている。
眼がやっと開けられるくらいで赤い斑点で被われていた。
先生も驚かれて事情を聞くと前日にギンナンを拾ったのだそうだ。
校舎の周りは緑がいっぱいだ。
銀杏の大木が有っても可笑しくない。
珍しくて夢中で素手で拾ったののだろう。
私は阪神間では成っているギンナンを見た事がなかったから気触(かぶ)れる事も初めて知った。

あれ以来ギンナンには素手で触れた事が無い。 奇麗に処理された種をお店で買うだけだ。

でも昨日見上げた銀杏の葉陰の実は可愛かった。

今朝は友人は外出の予定が有るので一人で散策する。
公園の中の小さなグラウンドのベンチに腰掛けて小さな画帳にラフスケッチを一枚描く。
静かだった。

帰りに近道をしようと竹薮の中の細道を降りかけたら道を間違えたらしく凄い急坂で丸太の段々が延々と続いている。
足がガクガクときしむ音がして来たけれど降りるほがマシと覚悟を決めて、道路に出た時は本当にホッとした。
臆病なのに冒険も好きだ。
ドングリや栗の実がいっぱい落ちていたのに流石に写真を撮る余裕はなかったが黄がかったオレンジ色の葉を一枚、あまりに美しくて拾って帰る。