得手、不得手2013/09/21

小さな果樹園で
昭和初期の小学校って呑気で楽しかったことばかりが思い出される。
特に女の子には先生も親も甘くてって勉強を無理強いされず伸び伸びと毎日好きなことをしていた。
男の子は4、5年にもなると有名中学を目指して家庭教師を頼み受験勉強だが、女の子は日本舞踊かバレー、ピアノ、絵などのお稽古事に通う程度だった。
阪神間はその頃割合に文化的にも恵まれた地だったと思う。

末っ子で背伸びして育ったからあまり勉強しないでも成績はまあまあだったが工作、音楽は苦手だったな。
図画も特に褒められることはなかったから大人になってからの趣味とは関係ないらしい。
作文は時々は先生がお手本に黒板に書いて下さったりした。
読書のお陰だろう。

女学校に入って国語の先生は個性の強い方で姉の才能を買って下さっていて姉の文が新聞に載った事も有る。
姉は在学中に二科展に入選して騒がれたからその妹ってことで先生も上級生からも注目されて比べられたみたいだ。
ぼさ〜っとして内向的な冴えない妹にすぐ興味を失ったようで幸いだった。

私はキュリー夫人に憧れ科学系が大好きだった。
そんな或る日、作文を一旦提出したが先生の評を讀んで書きなおして持って行くと、さっとその場で讀まれた国語の先生曰く
「あんたの作文は理屈っぽいんだよ」
と一言、仰って返された。

あのとき以来、作文の才能がないと諦めた。
でも 学校では認められなかった絵に今は夢中になっている。
そしてこの歳になって 文を書く楽しさにはまりそう。

下手だっていいじゃん 楽しければ!