月が替わって2013/02/03

冬景色の掛け軸
二月になったので少し模様替えをする。
御所人形を桐の箱に納め、色紙は少し季節がずれるけれど山茶花、掛け軸は鶴の替わりに水墨画の雪景色を掛けてみた。
若い頃は特別な感慨も無かったが、今観ると簡潔な画面から滲み出る日本の情緒に安らぎを感じる。
短冊は早々に紅梅にしてたからそのままに。

育った家は油絵や水彩のスケッチ、デッサンなどの額が多く季節感は無くて掛けっ放しだったから、京都に嫁いで床の間の掛け軸を毎月掛け替えるのに驚いたが楽しみでもあった。
親戚の日本画家に戴いたのもあるが出入りの商人もよく勧めにきていたらしい。
廊下の棚に無造作に積み上げられているのも有ったな。

結婚後2〜3年で阪神間に引っ越す時に古物商の方に来て貰って多くを処分した。
惜しいなと思ったけれどまだ口出しは出来なかった。
あれから六十年、残ったものも、もうぼろぼろになって恐る恐る広げている。
でも絵とか人形は古びて出る味は捨て難い。

和の情緒もいいなとやっとこの歳になって感じるようになった。

雪景色の軸を選んだが、昨日今日と春のようなポカポカ陽気でちょっと拍子抜けする。