夏本番に2012/07/17

夏に
暑い!
入道雲らしいのが湧き上がっている。
ハイビスカスの赤が青空に映える。
子どもの頃から一番好きな季節は夏だった。その次は雪の降る冬。
夏にはギラギラ燃える太陽からいっぱいエネルギーを貰う感じがする。

でも最近は流石に身体に応えるようになったな。
一昨年には女学校のクラスメートが熱中症で亡くなったと聞いた。
小学校に上がった時から家にもよく遊びに行った幼なじみだったが神戸と東京とに離れてからは合同のクラス会で一緒になるだけでゆっくり想い出を語ることはなかった。
お下げ髪のよく似合うお人形のような子どもの面影が私の中に残っている。
独り暮らしだったと聞いて身につまされた。

夏には海と花火がつきもの。
海からは遠く離れてしまったが今年は花火が観られるといいな。
夜空いっぱいに広がる瞬間の美、お腹の底に響く音、軽快にはぜる音、瞬く間に変化して消え去って行くアートに酔う。
終ったあとの満足感と寂寥感。
会場の混雑を思うともうムリかなと弱気になるが、真下から仰ぐ花火でないと物足りない。

書いているうちに子どもの頃のクーラーも扇風機もなかった我が家の夕涼みの情景が浮かんで来た。
障子や襖を取り外してスダレをかけ、開け放した縁側に蚊取り線香をともして打ち水した庭で子どもは線香花火を楽しんだ。
家の明りは暗かったから空の星が美しかった。
住宅街は車の騒音も無く静かだった。
戦争前のいっときの幸せ感。