追憶2012/07/04

最近は純白の紫陽花が
「徹子の部屋」は地井武男さんの追悼番組だった。
二年以上前になるだろうか、友達と寄った小さなレストランで地井さんが訪ねて来られた時の話をご主人から伺ってビデオまで見せて戴いたことを思い出す。
珈琲の美味しかったそのレストランも今はもう無い。

今日7月4日は兄の命日の筈だ。
昔の事はよく覚えているのに歳とともに悲しい事は故意に記憶から消そうとするみたい。
遠くに住んでいるので訪ねる機会も無いが今度義姉に電話したときにちゃんと書き留めて置かなくてはと思う。

大正11年生まれの姉と大正13年生まれの兄と昭和2年生まれの私の三人きょうだいだった。
早生まれの姉とは歳が離れていたせいか一緒に遊んだ記憶はないが兄には時々相撲の相手させられたな。
年頃になっても真剣に話し合ったことはなかった。
学徒出陣、学徒動員、父の死、経済的不安、生きる意味・・・
抱え込んでいた筈なのに。
兄の親友から後で聞いた話だが、二人で自殺しようということになって、暫く考えた後で
「妹を一人で残す訳にいかないからな」
と思い直したそうだ。 ホントかな。

お互い結婚してからは義姉とは色んな話をしても兄の本音は聞いた事が無い。
父が早く亡くなったあと母や伯母の面倒をみる一方で海外旅行など独りで好きな事を楽しんでいたらしいから家族は悔いのない人生だっただろうと言っている。
それに慰められるが、沁みじみと昔話がしたかったなあとそれだけが心残りだ。

兄が逝って、夫が亡くなり翌年に姉が亡くなって昔話を教えてくれる人は誰も居なくなって淋しい。
最近テレビや本で親しんだ方々の訃報を聞き時の移ろいが身に沁みる。
こんな湿っぽい話するつもりはなかったのに。
今夜は面白いテレビでも見よう。