空襲警報2011/12/28

空き地
「カーネーション」を見ていて戦争末期の空襲警報に怯えた日々を思い出す。
学徒動員で戦闘機の部品を作る工場に通っていた。
休みは2週間に一日だけで朝暗いうちに出掛け夕方学生寮の自室に帰った時はもう何をする元気も無かった。
食事もろくに取れなかったがともかく寝たくって布団に倒れるように潜り込んだ。
それがサイレンで起こされる。
警戒警報、次に空襲警報の大音量で地下室に避難しなければならない。
恐怖感よりも疲労感でぼ〜っとしていた。
もうその頃には昼間の服装のまま寝るのが当たり前になっていたし部屋を片付ける余裕もなくて昼間見たら酷いものだったと思う。

ドラマでは服装も畳みも人も奇麗だなと感じる。
あのころお風呂には滅多に入れなかったし衣類を洗濯する時間も石鹸も乏しかった。
今では考えられないくらい汚れていたろう。
生きているだけで幸運だと思う17歳だった。

買い物に出たついでに添付写真の汚いものでも撮ろうとしたらゴミが無い。
植え込みはキチンと刈り込まれているし落ち葉は風情程度だ。
やっと放置されている小さな空き地を見つけるがイメージには程遠い。
戦争中のことをあれこれ考えているうちに今年の天災に遇われた方々のことに思いが移って複雑な気持ちになった。