女学校の夏休みの思い出2011/07/23

住宅街の垣根に
小学生だった時の夏休みの思い出は一昨年に書いたから女学校のを書いてみよう。
あまり期待もしないで親の薦めるままに入った女学校だったが小学校とは別世界だった。
お行儀が良いのと言葉遣いが奇麗なのにはちょっと戸惑ったけれど自分で考えさせる数学、深く掘り下げるのに時間をかける国語、初めて習う英語に魅惑された。
何より簡単な期末試験は有ったが通信簿が無いのが有り難い。

かくして1学期が終って夏休みだ。
小学校のとき悩まされた宿題が無いのだ。 嬉しかったな。
休み中に讀むようにと推薦された本が2〜3冊有ったが読書感想を提出した記憶は無い。

1年生の時に薦められた本の中の「キュリー夫人伝」を買って貰って夢中になって読んだ。
確か白水社の白い装丁の分厚い本だった。
月に2円の小遣いでは文庫本しか買えなかったし、ハードカヴァーの本を買って貰ったのは三笠書房の「イヤリング」、サッペル「愛の一家」など以来だと思う。
キュリー夫妻の娘さんが書いたこの伝記をその後何回も読み返してその度に感激したのに今蘇るのは暗い実験室にボーッと光るラジウムを発見した時の夫妻の喜び、夫のピエールを襲った馬車の事故のくだりだけだ。

女学校1年生の私は将来はキュリー夫人のような道を歩きたいと願っていたが怠け者で夢は実現できなかった。