地震のこと2011/05/28

かなとこ雲
入院して20日ばかり経ち膵炎の治療薬や栄養補給などの点滴で24時間ベッドに寝たきりのときに東日本大震災が起こった。
震度5強だったが避難する術も無くベッドの柵に身を寄せて布団を冠り頭に枕を乗せて踞っていたが不思議と恐怖感はなかった。
若い看護師さんが
「大丈夫ですか? 私ここにいますから」
チラッ見ると入り口でよろけながら踏ん張っている。
「私は大丈夫よ!」
と大声で応えたが彼女のプロ精神に感激したなぁ。
自宅に居たらマンションの最上階で一人できっと心細かったと思う。 後で家族に聞くと落下物や壊れた家具でかなり酷い状態だったとか。
病院に居て良かった。

それから毎日ニュースで被害に遭われた方々や被災地の状況を知りただただ暗澹たる思いだ。 お見舞いだの同情だのの言葉では表せない。

戦争末期に母は直腸がんの手術を大阪の父の勤務していた病院で受けた。 その1週間後に大阪の大空襲があり母は婦長さんに抱き抱えられて防空壕に避難したそうだ。
幸い病院は残ったが辺り一面は焼け野原になり父に助けられながら疎開地の我が家に帰って来たことを思い出す。
テレビ画面の被災地の瓦礫の山を見ていると私のなかでは戦災にあって焼け野原になった昭和20年の情景がだぶってしまう。
比べるつもりはないけれどあの絶望的な惨状から立ち直った日本の底力を信じたい。
被災された方々が1日も早く元の平穏な生活を取り戻されることを心から祈っています。

自分のことに戻るが、地震の影響で余震、停電などで手術への不安が有った。 事実手術中に地震が有ったそうだが停電もせず無事成功して感謝している。
翌朝目が覚めて目に映った窓外の淡い有明の青空に
「ああ 生きている」
忘れられない!