楽しかった夏休みの想い出2010/08/22

山に囲まれた村
小学3年生の夏休みに生まれて初めて一人旅をした。
父の生まれた家は山奥の寒村だ。1年生の夏休みは姉と兄と一緒に行ったが、あの時の楽しさが忘れられなかった。
別にねだった覚えもないのに何故か私一人が行くことに。
田舎が好きだったのは私だけだったのだろう。
駅までは母が送ってくれ、汽車に揺られて6時間くらい、ひたすら窓のそとの景色を眺めていた。
ボ〜という汽笛、ガッタンゴットンと言う揺れ! 懐かしいな。
直通の便は1日に1回だけだったと思う。
目的地の駅には従兄弟が迎えに来てくれていた。

伯父は早くに亡くなって、従兄弟が成人するまで父が後見人だったそうだ。 従兄弟達は我が家から学校に通っていた時期が有るから親しい。
伯母がとっても喜んで歓待してくれて翌日から私を連れて親戚巡りをした。 
都会の家しか知らない私には珍しいことばかりだ。
囲炉端、その前に敷いて有る毛皮は歴代の飼い犬とか、土間に牛がいる。 農家ではお風呂の洗い場が簀の子になっていて流したお湯は肥だめに続いていて発酵を促す仕組みだ。
伯母は農家の出身で父の姉達は学がないと少し下目に見ていたようだが、私には面白い話をいっぱいしてくれて、寝る時は布団を並べて、そういう経験は初めてだから温かいものを感じた。

夜には従兄弟と一緒に前の川に仕掛けた竹籠の魚をカンテラで照らしながら捜しに行く。
裏山を一人で歩くと珍しい野草の花や昆虫を見付けて飽くことが無かった。
戦争の影が密かに忍び寄ってるのも知らずに平和で楽しい夏休みだった。