海の想い出2010/08/16

兄弟
海が見たくなった。
かなた向こうの水平線まで遮るものなく広がる海!
ブルーの微妙なグラデーションに押し寄せる白い波頭の変化!
波打ち際の透明な水の曲線と砂に残る色 などなど
砂浜に座ってぼ〜っと時間を過ごすと心まで透明になる。
砂浜には宝物がイッパイだ。
小さな精巧な貝殻、磨り減って宝石のようになったガラスの破片、面白い形の樹の破片、穴から覗く小蟹やウニやウミウシなどなど。

海の傍の家にいたころ、砂遊びしている幼い兄弟を見かけてスケッチしてCGで書き直したのが添付した絵だ。
私も幼い頃、砂浜でお山を作って海水で固めてトンネル掘ったものだ。 友達とトンネルの両側から手を突っ込んで指先が触れると嬉しかったな。

関西の砂浜は白に近いベージュだった。
関東に移り住んで黒っぽい砂浜に慣れるのに暫く掛かった。
小学生の頃はまだ学校にプールが無くて、夏休み前は先生に引率されて海で水泳を習った。
夏休みは早朝電車に乗って水練教室に通った時期がある。
年配の男性が、侍が兜を冠って泳いだという見事な古式の泳ぎを披露して下さった姿を思い出す。
酒処だから大きなガランとした酒蔵が脱衣所に当てられた。
お酒を造るのは冬だけで杜氏さん達は春になれば村に帰り、夏は無人だったのだ。

平和だったころの海を懐かしく思いだしたのに、、昨日の余韻で
 うみ〜ゆか〜ば みづ〜く かば〜ね ・・・
   (海行かば 水漬く 屍 )
の旋律が 耳の奥から聞こえてきて、おの痛ましい戦争の体験は一生涯消えることはないのだと思った。