姉の思い出2010/03/19

人形(油彩)F4号 

3月19日は6歳上だった姉の誕生日だ。
私がブログを書こうと思い立った一つに、親、姉、兄の昔を知っているのは私だけになってしまったから想い出を書いておきたい気持ちが有った。
私事だけど もともと 自分のための 独り言のような ブログだもの。

姉の幼い時の写真を見ると二重瞼の眼がパッチリと大きくて可愛い。
若い父が抱いている写真もあって、両親に抱いてもらった記憶のない私はチョッと羨ましかった。
初めての子どもは親も珍しかったのだろう。

小学生のころの姉は家でも外でも華やかな存在で絵が上手く、最初は近所の先生に習っていたが、そのうち紹介で本式に油絵の先生のお宅に通うようになった。
女学校に入ったころにはもう裸婦を描いていたようだ。
4年のときに先生の属してる大きな公募展に入選して、新聞記者が来て記事になったり、家族が皆そわそわして喜んだ。
一番喜んだのは母で、姉と一緒に東京までその展覧会を観に行き、土産話が楽しかったっけ。
その頃東京は汽車で9時間、遠い世界だった。

本人も周囲も卒業したら上野へ行くと思っていたのに、父が反対して
地元の学校の国文科へ進学した。
進歩的な父だったが、独り上京させるのが心配で、しかも女子は結婚が幸せと考えていたようだ。 親心とは思う。 そういう時代だったのだ。
姉は生涯、残念がっていた。

文才にも長けていた姉は人の観察眼も鋭く、お洒落でもあり、まったく正反対の私とは歳の違いもあって、べったりした親密さはなかったが60歳過ぎたころから電話で長話する仲になった。
姉の視点から見た我が家の歴史は、新しい発見が有り、いかに私がボ~ッと世間知らずだったかが解った。

亡くなって4年余り、もっともっと話が聞きたかった。