ランドセル今昔2010/03/12

小学校入学の日

テレビでランドセルのCMを良く見かける。
もうすぐ4月、桜が咲いて 新しい小学一年生の登場だ。

私は昭和9年(1934年)に小学生になったから 今の時期には当然、ランドセルを買ってもらっていた筈なのだが覚えてない。
喜んで背負って駆け回るような可愛い子どもじゃなかったのだろうな。
赤いセルロイドのミッキーマウスの絵のついた筆箱だけは凄く嬉しくて勉強机の上に置いて毎日眺めていたっけ。

ランドセルは6年間使ったから形状は記憶している。
形は現在のと基本的には変わらないが、色は茶色だった。
皮そのものの色だったわけで地味だった。
赤と黒になったのは戦後で、今のようにカラフルになったのはずーっと後のことだと思う。
昔は留める金具はなくて、ベルト状の短いのが蓋の先についていてそれで留めていた。

結構乱暴に扱ったのに、6年間よく持ったものだと感心する。
隅々は擦り切れて白っぽくなったり 蓋にはイッパイ傷がついて、卒業した時には何の未練もなく捨ててしまった。
今頃になって 思い出がしみついたランドセルを見たいなと思う。
絶対無理なのはわかっているけど、せめて写真でも有ればなと。
こんな気持ちになるなんて想像もしていなかった。

ランドセルが何時頃定着したのか知らないが、少なくとも80年近く伝統が受け継がれてきたこと、今の小学生と同じ体験が有ることが嬉しい。

今ふっと思ったが、戦時中の靴も無くて裸足で通学していた頃の子どもたちはランドセルを買ってもらえたのだろうか?