懐かしの本 クリスマスキャロル2009/12/14

世界中の悲しむ人や苦しむ人に熱いハートを

小学5年生だったと思う。珍しく文庫本を2冊買って貰った。
その1冊がディッケンズの「クリスマスキャロル」だった。
心揺さぶられて何度も読み返し、情景がまざまざと見える、流石文豪だ。
因業で年取ったスクルージ、守銭奴でクリスマスイブなのに簿記係のクラッチットにも冷たい態度だ。 その夜、昔妻にも去られたスクルージが一人寝ていると7年前に亡くなった共同経営者のマーレイの幽霊が酷い姿で現れ「お前もその強欲のまま死んだらこうなる、これから現れる3人の精霊の言う事を聞け」と忠告して去る。
過去と現在と未来を彼に見せる精霊達。
   映画にでもTVでもお馴染みだから皆さんご存知でしょう。

でも初めて活字で読んで膨らんだイメージは強烈だった。
貧しい簿記係のクリスマスを祝う家族の温かな情景! 愛情に包まれた可愛い子ども達!
未来の精霊に見せられたスクルージの哀しい末路。誰からも愛されず、借金を返さずに済んで喜ぶ人さへ。 寂しいお墓。

夢から覚めたスクルージは生まれ変わり、大きな七面鳥を抱えて簿記係の家に行く。 暖かく迎えるクラッチット一家。

子供心に強烈な印象を刻んだ一冊だ。 心の奥底の、この世で一番大切なのは愛だという思いは今も変わらない。
そしてクリスマスは、生きとし生けるものへの愛を思う時だと。