風邪2009/11/26

山のハゼの紅葉

夜中、寒いなと思いながら素独をもう少しなんて最後までやってたら、案の定風邪を引いた。
熱も無いけど早めの用心にしくはないと医院でお薬を頂く。

ぼ〜っと気怠い気分でいると、子どもの頃病気した時の事を思いだした。 
私は寝込むような病気は滅多にしなかったが、風邪などで熱を出すと特別待遇で座敷に寝かされ父も母もとっても優しかった。
水枕と氷嚢で頭を冷やし夜中も母が傍にいてくれる! 熱に浮かされながらも甘美な時間だった。

往診してくださった先生は鴨居に頭がつかえるほどの大きな方で「どうしたぁ」と枕元にどっかと座って頼もしかった。
診察が済むと座敷の横の縁側の椅子で父と酌み交わして話し込んで帰られた。
町のお医者さんのなかには、その頃珍しかった自家用車で往診なさる先生もいらしたが、この先生はお抱えの人力車で往診に来られた。 診察の間、表で待っている車夫さんに熱いお茶を持っていってたようだ。

父は内科医でなかったせいもあるが、家族は情に狂わされることがあるからと自分では診なかったと後で聞いた。

幼い時の風邪は、家族の温もりが身に沁みた嬉しくも甘い思い出に満ちている。