西瓜の思い出2018/07/09

西瓜が嬉しい季節。
甘くて瑞々しくて、懐かしい味に子どもの頃の思い出が重なる。

昭和の初期には、電話のある家は少なくて、毎朝ご用聞きさんが回っていた。

小学校の高等科を出たばかりのお兄さんが自転車に乗って、分厚い帳面をぶらさげて勝手口に。
八百屋さん、お肉屋さん、クリーニング店など。

因みに、魚屋さんは、中庭で大きな水桶の上に俎板を置いて捌いてくれるから大人の屈強な男性。
和菓子は週に一度くらいにお年の女性の方が回って来られた。
生みたての卵を定期的に届けてくださる小母さんも。

商店は少なく、市場はもっと遠かったけれど不便ではなかったみたい。

朝、ご用聞きさんに注文すると午後に届けてくれる。
夏になると、庭の枝折り戸につけられた鈴がチリンと鳴って大きな西瓜をぶらさげたお兄さんが入ってくるのが嬉しかった。
若いご用聞きさんは子どもにとっても良い話し相手で、時には一緒に遊んだり。

井戸水で冷やして半月形に切ってもらった西瓜を両手で持って、縁側にズラッと腰かけて食べる。
種は庭にプッと。
いま思うとお行儀悪いけれど、楽しかったな。

戦争が始まる前の昭和の風景です。

添付写真は、古いスケッチブックから西瓜の画を。