戦後すぐの想い出2016/11/23

何となく朝ドラを観るのが習慣になっている。
独りになってからは朝食タイムに。

今のは懐かしい神戸が舞台で、モデルになった方々も同じ女学校の先輩だから嬉しい。
でも、その時代に育った土地故の違和感もあるが、昭和19年の春に京都の女専に進学したから戦災も戦後の神戸のことは知らない。

今週は主人公の夫が復員してこられた。
ホッとすると同時に疎開先の琵琶湖の畔の小さな街での当時のことを思い出す。

兄も何の知らせも無く、或る日突然帰った来た。
顔は汚れ軍服はよれよれで、ボロボロのリュックを背負って笑顔で姿を現した、
私はモチロン、父母が何れだけ喜んだことか。

座敷に座ってリュックを開けると砂糖がイッパイ、それしか入っていない。
途中で持ってた品を全部ヤミの砂糖と換えて来たきたよ と笑っていた。
堅物の父は妙に感心してたっけ。

近所でも次々帰還して喜びの声が伝わって来る。
でも悲劇も。
戦死の公報が誤って届けられ、田舎のことでお家が大事と弟さんと再婚させられた後に、ご本人が無事に帰って来られたようなことを噂で聞く。

混沌として何が有っても可笑しくない世相だったな。
父母に庇護されていた私は幸運でした。

ドラマを観ながらイロイロ思い出すが、もう真偽を確かめたり、想い出話を聞く相手は誰も居なくなった。

添付写真は公園にスケッチに出掛けた時に見かけた真っ赤な実が見事だったので。
もしかしてピラカンサスの一種かしら。