奈良の想い出2015/11/01

秋景色スケッチ
TVで正倉院展が開かれてる様子を観て大昔のことを思い出した。

1946年(昭和21年)に奈良公園内にある奈良国立博物館で
「正倉院御物特別拝観」第1回が開催された。

前年の終戦で学園に復帰してから戦争中の精神的飢餓を埋め合わせるようにそれまで禁断だった書物や映画、演劇などなどに夢中になっていた。

正倉院展の知らせを聞いて寮で同室でもあった親友と二人で出掛けたら会場を取り巻くように長蛇の列だった。
若かったから苦にもせず、入って眺められた時は沁みじみと平和の有難さが身に沁みたものだ。

その頃の奈良は戦災にこそ合わなかったが寺院も剥き出しで鄙びた感じだったが京都からは近くて伸びやかな感じが好きで休日にはよく遊びに行ったものだ。

興福寺の阿修羅像に魅せられたのもあの頃。
後年と違い直に観られて親しみが違った気がする。

京都まではお墓参りを兼ねて行くけれど奈良には随分ご無沙汰だ。
ゆっくり懐かしい仏像に会いに、そして鹿と戯れたいものだ。

今朝は青空に誘われて公園を散歩、秋を楽しんできました。

不本意な日2015/11/02

秋のお山
朝から薄ら寒い小雨に外出の予定を変更してアトリエ代わりの部屋の整理を始める。
油絵の具の古くなったのを思い切って処分することにした。
市のゴミ処理の手引き書が頼りだ。

絵の具の他にも色々有って簡単に捨てられないものが多い。
お昼過ぎまでやったが、スッキリするには未だ暫く掛かりそう。

遅い昼食を摂りながらハッと気が付いた。
明日は祝日だ。
医院もお休み、明後日は他の予定が有る。
それ以上延ばせないから午後に出掛けた。

帰りはもう真っ暗、何だか実りの少ない一日でした。
まぁ こんな日も有ります。

秋の夜長に今夜は図書館から借りた日経サイエンスの残りと大渕先生のご著書を読了しよう。

添付写真は昨日、公園を散歩した時のお山の秋景色です。
空が奇麗でした。

明治節2015/11/03

夜明け
 アジアの東 日いずるところ
 ひじりの君の 現れまして
 ふるき天地(あめつち) とざせる霧を
 おおみ光に  隈(くま)なくはらい
 教えあまねく 道あきらけく
 おさめたまえる み代とうと
          「明治節」一番

今日は戦前の「明治節」
 昭和初期の小学生だった私には想い出の風景が蘇る。
晴れ着で3階の大講堂に学年ごとに粛々と入場、普段は閉ざされたご真影の幕が引き揚げられ壇上の両脇には松の盆栽と大輪の菊が飾られていた。

校長先生のお話しは覚えていないが斉唱で立ち上がった時だけは皆元気づいたものだ。
終わった後は大仕事終った気分で運動場で1時間くらい皆と遊ぶのが楽しみだった。
明治節は晴天と決まっていたものだ。

明治生まれの母と結婚してから知った義母は明治天皇が大好きでアイドルみたいだったな。

母は奇しくも明治天皇崩御の日、7月30日に亡くなる。
義母は末期癌で入院中に同じ日に死にたいから先生に薬を処方して貰いたいと夫を困らせた。
出来る筈のないことだけど一ヶ月寿命が延びてその苦しみを見ていた夫の辛さも判っていて私には何も出来なかった。

私は昭和っ子の先頭、浮薄で外国文化に浸り軟弱だと云われながら戦争で苦労したから人生は判らない。

記念日2015/11/04

冠雪の富士
11月4日は結婚記念日、65周年だ。
でも夫は11年前に帰らぬ人になったから今更お祝いでもない。

ただフッと平安神宮で挙式した時のいろいろのシーンが眼に浮かぶ。
敗戦後5年経って日本も貧しいながらも式が挙げられるくらいに復興していた。
丁度一年前に兄が平安神宮で結婚式をしたばかりだったので、私もって感じで決めたが披露宴をする会場も無く庭園内の迎賓館だったと思う。
こじんまりした建物で料理場もついていた。

母は父が亡くなってから疎開先きで婦人の友の「母の会」に入って大勢の友人に恵まれ、私の披露宴もそのお友達が全部仕切ってくださった。

ウエディングケーキもお手製、お決まりのイザって時になって肝心のナイフが無くって
「これでどうかしら?」
親しいメンバーの方が大きな包丁を持って来られて爆笑。
結局それを使わずに済んだと思う。

記念写真はスタジオなんて無いから、神宮の内庭の池のほとりの傘を拡げたような松の大木の下で撮ってもらった。

もう色褪せているが寝室の壁にその後の家族の記念写真とともに飾って毎日眺めている。

生き方は人さまざま、夫々の幸せが有ると私は思う。
私も自分には過ぎた幸せを貰ったなと、この日が来る度に感謝の気持ちが湧く。

添付写真は、朝遠くに頭だけが小さく見える富士山が覗いていたので、急に思い立って富士見台に散歩してついでにスケッチを。
湘南で毎日対岸の富士山を眺めた夫との最後の18年間を思い出した。

楽しかったドライブ2015/11/05

久し振りのドライブに
もう一昨日になる。
祝日はもう関係のない身だが世間はお休みの所も多いから、所在なく珍しく朝からブログを書いていた。

幼いころの明治節の想い出などを記していたらあと1〜2行の所で電話が〜、
近くの家人からだった。

「これからドライブに行きません?」
「うわぁ 嬉しい! 行く 行く」
子どものように躁いだ声を出してしまった。

15分後にマンションの前で待つことにしてそれからが大変。
帰りが遅くなるだろうからブログはそのままアップ、大急ぎで身支度したが、1分遅刻して玄関に出るともう待ってくれていた。

休日で久し振りにマゴも一緒の女性3人、関東の地理に弱いからすべてはお任せで後部座席からひたすら景色を楽しむ。

御岳山のほうに向かってるようだ。
見覚えの有る駅がチラット見えたと思ったらもう埼玉のほうへ。

収穫期の稲が広がる田園景色が嬉しかった。
そして大きな河川にワクワクする。

子どもの頃父の故郷だった岡山の奥に訪れた折のことを思い出す。
一面の稲穂が美しかったな。
刈り取った後、塔のように積み上げられてた風景はもう今は見られない。

まばらに建ってる家屋も都会と変わりないのを見ながら昭和初期の風情を懐かしんだのは自分勝手な話だ。

そのうちに風景は一変して高層ビルの林立だ。
そして長い長い地下道。

途中、昼食で寛いだ後はひたすら走り続ける。
ドライブ好きの私には至福の時間だったが、ひとりで運転し続けた彼女は大変だっただろう。

関東北部を千葉まで一巡りしたのかな。 
説明して貰ったのに地理にマッタク弱いです。

帰宅したのはもう夕暮れだったけれど、思い掛けない嬉しいプレゼントでした。

夫と毎日のようにドライブした日々を懐かしく思い出したが、今居てももう無理だったでしょう。

前日は「不本意な日」なんてグチめいたことを書いたら翌日にはトキメく日を頂きました。 感謝!

添付写真は車の窓越しに。