「保田春彦〜生老病死のアトリエ」を観て2011/06/05

薊の花の力強さ
今日の日曜美術館は彫刻家の「保田春彦〜生老病死のアトリエ」だった。
若いときフランスに留学し、イタリアの方と結婚してあちらの生活が長かったらしいが私は初めてお名前も作品も知った。
若い時は現代アートの大きな作品が多い。
それはそれで素晴らしいと思ったが10年程前に最愛の奥様に先立たれて、彼女が秘かに残した絵やコラージュに新しい境地に目覚めて木彫で白い家シリーズなどに挑み、70歳過ぎてまた西欧に留学して2000点の裸婦デッサンを描く。
そのタッチの力強さに圧倒された。
体調を崩して帰国後脳梗塞で左半身の麻痺が残る。
両手を使えなければ木彫は無理だ。 再び粘土で裸婦などの彫刻に挑まれてる姿は壮絶かつ雄々しい。
老残の姿と言いながら鏡に向かって容赦ない自画像も描き続けていらっしゃる。 妥協の無い激しいタッチだ。
ご本人の眼も怖いくらい鋭い。

老をまともに見詰めてる感動を受けたが1930年生まれの81歳でいらっしゃる。
ああ 私って彼より3歳年寄りなんだ。 なんて自覚も無く暢気に過ごしているけど生きている間は私なりに挑戦して充実感を味わいたいと思った。