昔の新聞2010/10/11

体育の日は青空に
昨日まで垂れ込めていた雨雲が今朝は一掃されて久しぶりの青空。部屋の奥まで射し込む陽光に元気貰って朝から書棚の整理をしていたら
「社会面で見る 世相75年 1879-1954」朝日新聞
という古い本を見付けた。 発行日は昭和29年7月1日。
事件が報道された紙面がそのまま縮小されているから、その頃の世相まで判って面白い。

明治十二年七月九日のコレラ流行の記事から始まっている。
写真など一切無くまるで官報のような固い記事だ。 びっしりとルビが振ってある。
写真が出てくるのが明治37年の戦地(日露戦争)を写した頃から。
それまでは挿絵だ。世の中の移り変わりがよく解る。 
これを買った時のことはうっすら覚えているがこんな昔だったとは思わなかったな。

昭和25年には「金閣寺・全焼す」の大見出しに焼け落ちた金閣寺の無惨な写真が。
下方に獅子文六「自由学校」の連載小説。 更に広告欄に「アサヒビール」や「柳屋ポマード」「お中元は和光」「クラブ号自転車」などなどが有って、ああ この頃には生活も安定して来ていたのだと改めて思った。

ところが昭和28年の紙面に「集団帰国は打ち切り 中共地区の日本人」の記事があって驚いた。 中国在留の日本人の帰国がまだ問題になっていたとは。
終戦直後から朝鮮半島や当時の満州からの引き上げの大変さは体験者から聞いたが、戦後3〜4年もするとあまり聞く事は無くなっていた。 シベリア抑留は別だったが。

明治12年から昭和29年までの「世相七十五年」 じっくり読み返してみたい。