明日のことはわからない2010/08/14

花火(CG)
昭和20年8月14日、私たちは絶望の底に沈んでいた。
ドイツ、イタリアは既に敗れ、日本だけが孤立している。 ソ連が不可侵条約を破って侵攻してきた。 原爆投下。
一億玉砕の文字がちらつく。
庶民の心の拠り所は、
「日本は負けた事が無い」「神風が吹く」
それしかなかった。
新聞で特攻隊のことを知った父は、日本はそこまで追いつめられてるのかと暗い顔で呟いた。息子を軍隊に送り出した親として堪らなかったのだろう。

隣組から玉音放送のことが伝えられたのは、この日の夕方だったか当日の朝だったか忘れたが、いずれにしても戦意を激励するか、覚悟を促すものと思い込んでいた。

翌日の正午、我々の運命ががらりと変わる事も知らずに、もう死ぬしかないと漠然と考えていた8月14日のことを今頃になってしみじみ思い出す。
明日のことはわからない!